サブ課題内容





「統合型ヘルスケアシステムの構築」(本課題)の研究開発内容
本SIPでは、事業としてサブ課題A、B、Cを、技術開発としてサブ課題D、Eを実施します。サブ課題A、B、Cは、医療従事者・産業界、患者・医療機関、地方自治体等の受益者を明確にした上で推進し、サブ課題テーマD、Eは事業開発における各ソリューションの質・拡張性を担保する基盤技術を開発します。- 【サブ課題A:研究開発支援・知識発見ソリューションの開発】
包括的に収集・統合された医療データセットを蓄積・分析するための医療データプラットフォームを構築します。これにより、新しい診療手法や新薬・医療機器の研究開発に貢献する医学知識の発見、及び医療の質の向上を実現します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 | HP |
A-1 | 臨床情報プラットフォーム構築による知的発見 拠点形成 | 的場哲哉 | 九州大学大学院医学研究院 循環器内科学准教授 |
リンク |
A-2 | 臨床情報プラットフォームを活用したPHRによる 突然死防止・見守りサービス |
石見拓 | 京都大学大学院 医学研究科教授 | リンク |
A-3 | 臨床情報プラットフォームと連携したPHRによる ライフレコードデジタルツイン開発 |
鈴木亨 | 東京大学 医科学研究所特任教授 | リンク |
- 【サブ課題B:患者・医療機関支援ソリューションの開発】
高度な医学知識を基に、実際の医療現場・患者生活を支援するソリューションを開発・実装します。これにより、医療の質向上、患者自身の健康管理に加え、多種多様な医療関連サービス事業者の参入を促し、経済価値を創出します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 | HP |
B-1 | がん診療についての総合的臨床データベースの社会実装 | 鈴木一洋 | 公益財団法人がん研究会有明病院 医療情報部副部長 |
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B-2 | 電子問診票と個人健康情報(PHR)を用いた 受診支援・電子カルテ機能補助システムの開発 |
佐藤寿彦 | 株式会社プレシジョン 企画経営部 代表取締役社長 |
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B-3 | 症例報告・病歴要約支援システム開発を通じた臨床現場支援 | 岡田昌史 | 新医療リアルワールドデータ研究機構 株式会社 データサイエンス室室長 |
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B-4 | 看護師支援・医療の質向上(データに基づく看護師支援): 患者の生活のリアルタイム可視化によるインシデントリスク 判定アルゴリズムの自動アップデートシステム及び 自動服薬管理システムの開発 |
三宅邦明 | 株式会社アルム 取締役 | リンク |
B-5 | 医療機器・材料のトレーサビリティデータ収集・ 分析システムの構築を通じた医療機器開発・ 改良支援、医療資源最適化、病院経営最適化支援 |
美代賢吾 | 国立健康危機管理研究機構 システム基盤整備局医療情報管理部部長 |
リンク |
- 【サブ課題C:地方自治体・医療介護政策支援ソリューションの開発】
地方自治体の意思決定に資する医療、介護、健康、災害等の地域データを分析する医療データプラットフォームを構築します。これにより地方自治体の医療資源最適配置・財源調整支援、及び地域共生社会のための安全ネットワークを実現します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 | HP |
C-1 | 地方自治体の意思決定支援システム開発による、 住民の医療資源アクセスと提供体制の最適配置・財源確保、 地域共生社会のための安全ネットワークの実現 |
満武巨裕 | 一般財団法人医療経済研究・ 社会保険福祉協会医療経済研究機構 研究副部長/上席研究員 |
リンク |
C-2 | 患者の疾患状態及び施設間動態の可視化を可能とする システム開発による地域医療構想の実現 |
康永秀生 | 東京大学大学院 医学系研究科教授 | リンク |
- 【サブ課題D:デジタルツインのための先進的医療情報システム基盤の開発】
医療デジタルツインを活用したソリューションの実現に向けて、電子カルテ・部門システム等に蓄積された医療データを、ベンダー・システムの垣根を越えて収集・統合するための基盤・技術を開発します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 | HP |
D-1 | 医療機関・ベンダー・システムの垣根を超えた 医療データ基盤構築による組織横断的な医療情報収集の実現 |
河添悦昌 | 東京大学大学院 医学部付属病院 特任准教授 |
リンク |
D-2 | 統合型の医学概念・知識連結データベースの構築及び 医療文書の自動分析基盤の構築 |
荒牧英治 | 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科教授 |
リンク |
D-3 | 僻地医療支援のためのクラウド型標準電子カルテサービスの 研究開発 |
澤智博 | 一般社団法人NeXEHRS 研究開発部部長(理事) |
リンク |
- 【サブ課題E:大容量医療データ解析基盤技術の開発】
医療デジタルツインの社会実装を支える、多種多様な大容量データの高効率管理・高速処理・高次解析するための基盤・技術を開発します。また、電子カルテを中心とした大量の医療文書を高精度かつ効率的に処理する自然言語処理(NLP)技術を開発します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 | HP |
E-1 | 大容量医療データの高速処理・高効率管理・高次解析 基盤技術の開発 |
合田和生 | 東京大学 生産技術研究所教授 | リンク |
E-2 | 大規模医療文書・画像の高精度解析基盤技術の開発 | 黒橋禎夫 | 京都大学大学院 情報学研究科特定教授 | リンク |
「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」(生成AI課題)の研究開発内容
令和5年度補正予算により措置された本研究では、以下の医療生成AIにかかわるテーマ1、2、3、4に取り組みました。テーマ1、2は医療生成AIの基盤モデルとして医療LLM基盤の開発、医療LMM基盤の研究開発・実装、テーマ3はそれらの基盤モデルの活用も考慮した医療生成AIのソリューション・アプリケーションの開発、テーマ4は、テーマ1、2、3の医療生成AIの研究開発に資する医療データ基盤の開発を行いました。※研究責任者の所属は2024年度時点での所属となります。
- 【テーマ1:医療LLM基盤の研究開発・実装】
海外では汎用モデルLLM(Large Language Model)の医療分野での利用に加え、医療特化型のLLMも登場しています。しかしながら、産業政策・競争政策・および国民に対するサービス品質の向上等の視点からは、日本人の医療データを日本語で学習したLLMの開発に取り組む必要があります。そのため、医療用の日本語版LLM基盤の構築を図ります。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 |
テーマ1-1 | 安全性・信頼性を持つオープンな医療LLMの開発・社会実装 | 相澤彰子 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系教授 |
テーマ1-2 | 日本語版医療LLMの開発ならびに臨床現場における 社会実装検証 |
小西史一 | さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所上級研究員 |
- 【テーマ2:医療LMMの研究開発・実装】
LLMについては、既に民間レベルでの開発が進んでいます。一方、画像等の言語以外の多様な情報を組み込んだ大規模マルチモーダルモデル(LMM:Large Multimodal Model)の技術は、未だ世界的に確立されていません。我が国の医療分野においてはLMM学習に利用できる良質な医療データが存在していることから、世界的な競争力の獲得も視野に入れて、医療用の日本語対応LMM基盤の構築を図ります。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 |
テーマ2 | 高信頼・高性能医療LMMの研究開発と社会実装 | 原田達也 | 東京大学 先端科学技術研究センター教授 |
- 【テーマ3:ソリューション・アプリケーション開発】
医療LLM/LMM基盤を構築し、社会実装につなげるためには効率的な構築手法の開発や構築されたLLM/LMMを活用したユースケースの具体化・実装が必要となります。そのため、医療LLM/LMMの開発に資するソリューション開発、診療支援、保健行政支援、臨床研究支援など様々な業務の推進を図るLLM/LMMを活用したアプリケーション開発を行います。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 |
テーマ3-1 | 皮膚科領域LMM構築と社会実装への挑戦 | 藤澤康弘 | 愛媛大学 大学院医学系研究科教授 |
テーマ3-2 | LLM/LMMを用いた包括的な画像診断の レポーティング支援システムの構築 |
村上卓道 | 国立大学法人神戸大学 大学院医学研究科教授 |
テーマ3-3 | 循環器救急領域におけるLLM/LMMアプリケーションの 構築を通した個別化医療の実現に関する研究 |
村上卓道 | 国立大学法人東北大学 高等研究機構未来型医療創成センター 東北メディカル・メガバンク機構教授 |
テーマ3-4 | 「手のひらで使える」実践型生成AI活用アプリケーションの 開発 |
大井潤 | 株式会社アルム 代表取締役会長 |
- 【テーマ4:医療データ基盤構築と運営手法の検討】
高精度な医療LLM/LMMを開発するためには、良質な医療データを継続的に確保し、それを研究者や開発者が利用できる仕組みが必要となります。一方、個人情報保護、倫理などデータ保護の面での条件が満たされた学習データの整備など、個々の研究開発事業でデータを確保するには様々な課題があります。そのため、多様な医療データの収集・蓄積と医療LLM/LMMの研究開発主体による活用を可能とする医療データ基盤を構築します。
テーマ | 研究開発テーマ | 研究責任者 | 所属 |
テーマ4 | 医療データ・医療LLM/LMMの利活用を促進する 医療データ基盤 |
合田憲人 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設データレイク 研究開発センター教授 |
研究開発成果
各研究テーマの成果報告書はこちら(工事中)からご確認いただけます。ぜひご覧ください。